弁護士加藤英典のブログ

埼玉県所沢市の弁護士のブログです。

袴田事件再審開始決定の確定

報道の通り、検察庁が特別抗告を断念し、2023年3月21日0時00分特別抗告期間の経過をもって再審開始決定が確定しました。1981年10月に再審請求を申立ててから41年半、2008年4月に第二次再審請求を申立ててからでも17年の時を経て、再審開始決定が確定しました…

袴田事件即時抗告審決定

3月13日、袴田事件について、差戻後の即時抗告審の決定がなされました。差戻後の東京高等裁判所は、静岡地方裁判所の再審開始決定を支持し、検察官の即時抗告を棄却する決定をしました。 差戻後の即時抗告審では、味噌漬けになった血痕の色の問題が唯一の争…

袴田事件差戻審第8回三者協議

袴田事件について、差戻審の第8回三者協議が行われました。 報道されている通り、7月21日、8月1日、5日の3日間で、専門家5名の尋問が行われることが決まりました。また、静岡地方検察庁庁舎内で行われている検察官のみそ漬け実験を2022年11月で終了すること…

圏央道カルバートボックス事件再審請求

圏央道カルバートボックス事件弁護団は、本日(9月3日)、東京高等裁判所に再審請求を申立てました。私が確定後から弁護団に加わっている事件です。 なお、「圏央道カルバートボックス事件」は、この事件が『冤罪File(2016年7月号)』で取り上げられたとき…

袴田事件即時抗告審決定と映画『獄友』

袴田事件について、2018年6月11日に東京高裁の不当決定(原決定取消・再審請求棄却)がでてから、早2か月が経ちました。決定直後はその現実をにわかに受入れることができず、そうは言っても特別抗告申立期限は実質1週間しかないので、特別抗告申立書作成の作…

2018年ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展

原爆絵画展所沢実行委員会は、2018年8月6日(月)から8日(水)の間、所沢市役所庁舎市民ギャラリー(西武新宿線航空公園駅東口徒歩3分)において「ヒロシマ市民の描いた絵画展」を開催しています。 昨年までの会場(小手指市民ギャラリー)が閉鎖され、今年…

埼玉県で自転車保険加入が義務化

「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」 埼玉県では2018年4月1日に「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」が施行され、自転車保険に加入することが義務付けられます。 「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」が改正されました~…

袴田事件最終意見書提出

報道の通り、袴田事件弁護団は、1月19日に東京高裁に最終意見書を提出しました。 最終意見書は本文が150頁で、 DNA鑑定と味噌漬け実験に関する証拠を新証拠とした原決定に誤りはないこと 即時抗告審で開示された取調録音テープから違法な取調べ状況が明らか…

「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」のお知らせ

私が事務局長を務めている原爆絵画展所沢実行委員会は、2017年8月4日(金)から6日(日)の間、所沢市小手指市民ギャラリーエバー(西武池袋線小手指駅北口徒歩2分)において「ヒロシマ市民の描いた絵画展」を開催します。 この絵画展は、1974年5月に一人の…

誤解されている痴漢事件

誤解されている痴漢事件 先日の話の続きです。今度は、痴漢を疑われた男性が線路内に立入り、電車にはねられて死亡したと報道されています。 このような危険もありますので、「痴漢を疑われたら逃げろ」は適切な対応ではありません。 ところで、ここ数日、SN…

「痴漢を疑われたら逃げろ」は正しいのか?

「痴漢を疑われたら逃げろ」? 報道によれば、5月12日未明、JR京浜東北線の車内で痴漢を疑われた男性が、上野駅構内から逃走し、駅付近のビルから転落して死亡した、とのことです。逃走中に誤って転落したのか自殺を図ったのかは判明していません。 最近、電…

刑事拘禁制度改革に関する勉強会

※このエントリーは、『刑事拘禁制度改革実現本部ニュース』40号(日本弁護士連合会刑事拘禁制度改革実現本部編)に寄稿した文章をブログ用に編集したものです。 1 日弁連刑事拘禁制度改革実現本部は、2017年3月6日、村井敏邦氏(一橋大学名誉教授)と赤池一…

袴田事件第二次再審請求即時抗告審~DNA鑑定実施を強行した裁判所~

※このエントリーは、『再審通信』111号(日本弁護士連合会人権擁護委員会編)に寄稿した文章をブログ用に編集したものです。 事件発生から半世紀 袴田事件は、1966年6月30日未明、静岡県清水市(当時)内の味噌製造会社役員宅で一家4名が殺害された強盗殺人…

有罪率99.9%?

「99.9 刑事専門弁護士」 17日からTBSでドラマ「99.9 刑事専門弁護士」が始まりました。同業者の間でも話題になっています。 www.tbs.co.jp 私も第1話を視聴しましたが、日本のテレビドラマにしてはめずらしく尋問のシーン等がしっかりと作られているのに感…

「望むのは死刑ですか 考え悩む”世論”」

2月3日にドキュメンタリー映画「望のは死刑ですか 考え悩む”世論”」の上映会(埼玉弁護士会主催)に参加してきました。 nozomu-shikei.wix.com 映画のもとになっているのは、2015年に日本で実施された審議型意識調査です。 日本国は死刑制度を存置しており、…

法廷傍聴ガイド

先日、知人が「裁判の傍聴をしてみたいが、何をどうしたらよいのかわからない」と言うので、東京の裁判所で待ち合わせをして、法廷傍聴の案内をしました。 知人のような方が他にもいるかもしれないと思い、簡単な法廷傍聴の案内を書いてみます。 なお、以下…

開廷表のこと

裁判所の廊下には、開廷表が張り出されています。その日に裁判所で行われる期日の事件名や当事者名が記載されているのです。本来は、裁判所に出頭した代理人や当事者に対して、この手続はこの法廷でやる、ということを案内するためのものです。私は、特に理…

『袴田巌 夢の間の世の中』

私が弁護団員をしている袴田事件を題材にした映画「袴田事件 夢の間の世の中」が2016年2月から各地の映画館で公開されます。 www.youtube.com 釈放後の袴田巌さんとお姉さん(袴田秀子さん)の日常を撮影したドキュメンタリー映画です。 私も関係者向けの試…

「野々村元県議を強制出廷へ、神戸地裁が勾引状」

詐欺罪等で在宅で起訴された元県議会議員の被告人に対して、神戸地方裁判所が勾引状を発布したと報道されています。 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2685827.html 捜査中に逮捕・勾留されている被疑者が公判請求された場合、通常は、起訴後も勾留…

「川越 裁判所 駐車場」

このブログや事務所のホームページのアクセスログを見ていると、「川越 裁判所 駐車場」で検索してくる方をちらほら見かけます。裁判所に自動車で行こうとしている方が、裁判所に駐車場があるのかを調べているのでしょう。 川越の裁判所(さいたま地方裁判所…

事務所のホームページを更新しました。

事務所のホームページを大幅に更新しました。 ribbon-law.jp レシポンシブデザインのテンプレートを使用しています。パソコンで見ている方は大きな変化がないでしょうが、スマートフォン等で見るとレイアウトが大きく変わっています。 今まではスマートフォ…

<民法改正>「飲み屋のツケ」時効は原則5年に――飲み代を払わない客にどう対応?

www.bengo4.com 民法改正に関連して、飲み代を払わない客にどう対応するか、というお題で弁護士ドットコムから取材を受けました。

「強姦された」ウソ証言で「無実の男性」が服役か――告訴した女性は罪に問われる?

「被害者」の虚偽供述で無実の男性が服役することになったとき「被害者」は罪に問われるのか、というお題で弁護士ドットコムから取材を受けました。 この事件は、再審開始決定前に検察官が刑の執行を停止し、有罪の言渡しを受けた者を釈放した、というめずら…

女子高生と「援助交際」したオジサンが捕まった・・・誘った少女に「罪」はないの?

www.bengo4.com女子高生が「援助交際」をしても罪に問われないのか、というお題で弁護士ドットコムから取材を受けました。

おもちゃの「100万円札」わざとドロボーに盗ませたら・・・犯罪になるの?

www.bengo4.com おもちゃのお札をわざと盗ませたらというお題で、弁護士ドットコムから取材を受けました。 ネタにマジレスするのも苦労します。

袴田さんの再審開始と釈放

報道されている通り、私が弁護団に加わっている袴田事件について、3月27日、静岡地方裁判所が再審手続の開始と死刑及び拘置の執行停止を決定し、袴田さんが釈放されました。1966年8月に逮捕されて以来、47年7か月ぶりの釈放です。 27日午前10時に静岡地方裁…

「せっかく作った『雪だるま』が壊された! 犯人を『器物損壊罪』で告訴できる?」

www.bengo4.com 他人が作った雪だるまを壊したときに器物損壊罪が成立するかというお題で、弁護士ドットコムから取材を受けました。

袴田ひで子さんの陳述書が公開中

袴田事件第2次再審請求が結審 来春にも再審開始の可否判断へ http://plaza.rakuten.co.jp/hakamadajikenhp/diary/201312160000/?scid=we_blg_tw01 12月16日の袴田事件の期日で袴田ひで子さんが読み上げた陳述書の全文が支援団体のウェブサイトで公開されてい…

袴田事件第二次再審請求が審理終了

私が弁護団に加わっている袴田事件について、弁護人、検察官、請求人である袴田ひで子さんの意見を聴く手続が静岡地方裁判所で行われました。袴田ひで子さんの意見陳述は、逮捕から47年間という時間の重さを感じずにはいられない感動的なものでした。手続終…

裁判は1分で終わります

先日のブログの通り、事務所から裁判所までは結構遠いのです。時間をかけて裁判所まで移動し、実際に裁判所でどれくらいの時間を過ごすかというと、事件の内容や手続によって異なります。 調停は長くなりがちです。離婚調停や遺産分割調停で複雑な案件ですと…